ラパンアジル
モンマルトルのブドウ畑の向かいにある可愛らしい建物。
太陽のサンサンと当たる南斜面を表モンマルトルとすれば、この界隈は裏モンマルトルである。
頂上のサクレクール寺院を境に南側は、フニクラやアベッスの可愛らしいお店群、多くの観光客がいるゾーンである。
裏は観光客数が激減する。といっても、表の観光客数が以上なので、いないといってもいないわけではないが、裏の方が情緒あふれるのはその人の数の違いだろう。
ユトリロは、表も裏もたくさん絵を描いているから、裏に回っても描いた風景にたくさん出会える。
ほとんどその風景は変化していない。
ラパンアジルもまた、彼の題材であり、彼の通った場所である。
そして、この写真の位置に立ってこの扉の絵を眺めているあなたの真後ろにユトリロが眠っている。
振り返って見える墓地の壁、まさに何十センチかの壁の向こうに彼が眠っている墓地があるというのではない、彼が眠っているお墓があるのである。墓地の中のその場所がそうなのである。
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