パリにはカフェが無数にある。これらは日本で言えば、喫茶店でもあり、公衆トイレでもあり、待ち合わせ場所でもあり、休憩所でもあり、居酒屋でもある。たいていの人は、自分だけのお気に入りのカフェを持っている。モンカフェである。これらをまるで自分の書斎代わりに使う。手紙を書こうが、勉強をしようが、新聞を読もうが、ヴァカンスの計画をしようが、商談に使おうが色々である。要するに、自分のアパルトマンはお部屋プラスカフェなのである。どれだけ長居しても文句は言われない。カフェ、ノワゼット、カフェオレ、カフェ・クレーム、テ、テ・オ・レ、ショコラ・ショー、ビエール、パナシェ、ジュ・ドランジュ、ヴァン・ショー、クロワッサン、プラ・ドゥ・ジュール、フォーミュル、クロック・ムッシュ・・・。そのとき飲みたいもの、食べたいもの、好きなものを頼んで、思い思いの時間を過ごす。
コーヒーがメインではない、お酒がメインではない、待ち合わせがメインなのでもない、メインはあくまで自分である。
始めていくのなら、有名店もいい。が、有名店であってもそうでなくても、お気に入りのカフェを見つけること、それがフランス旅行やパリ旅行での楽しみだろう。お気に入りが有名店なら、それはそれでいいのだ。こだわるのはあくまで自分であればいいのだから。 |