ムーランルージュ
ムーランは風車の意味。
ルージュは赤の意味。
赤い風車である。
有名なキャバレーであるとともに、この風車がこの界隈、モンマルトルの西のはずれ、メトロのブランシュ界隈の顔、ランドマークなのである。
夕方、青黒くなっていく空に、赤く電気のムーランルージュが妖しく、そして悲しく光る。
ここを越えて西側へ行けば、もう、モンマルトルというより、クリシー界隈というべきゾーンである。
風車といえば、オランダのような感じを受ける人も多いだろう。
しかし、フランスにも古い風車が幾つも残る。
モンマルトルの丘には風車が二つ残る。
一つは、ルノワールの絵で有名なムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットである。
モンパルナスにも風車の後がある。
そして、パリで最も美しい風車はロンシャン競馬場にある。
赤い、夜になると電気のつく風車。キャバレーの風車が、しかしもっともパリで有名な風車であることには違いない。
そして、その物悲しい街と風車の雰囲気がノスタルジックを感じさせるのも、この風車がパリ一番であるだろう。
|